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『手仕事というもくろみ』重版記念イベント トークセッション「社会デザインとしての手仕事―環境・労働・経済の視点から」

2026-04-15
Written by:
HIRAKU 01 IKEBUKURO 運営チーム
Photography:
Thanks:

昨年4月、ブルーブラックカンパニーより刊行した『手仕事というもくろみ 暮らしを編み直す』(吉田慎司著)はおかげさまで多くの読者を得てご好評をいただき、このほど重版が決定いたしました。
皆様のご支援に厚く御礼申し上げます。


このたび重版記念として、「社会デザインとしての手仕事―環境・労働・経済の視点から」と題したトークセッションを開催いたします。


ゲストにお迎えするのは、民藝に造詣の深い哲学者として知られる鞍田崇さんです。
ローカルスタンダードとインティマシー(いとおしさ)という視点から現代社会を問い直している鞍田崇さんと、伝統的な箒づくりを通して歴史を継承することの意味を問いながら「誰に」「何を」「どのように」伝えていくのかを考え続けている吉田慎司さんとの対話を通して、「手仕事」が現代社会へ投げかける多様な視点を共有します。


モデレーターは「社会デザイン×知の再編集」を掲げるブルーブラックカンパニー代表の中村陽一(ソーシャルデザイナー)が務め、参加者の皆様とも意見交換しながら、「手仕事」と「社会デザイン」をどのように接続するのかを考えます。


ぜひご参加ください。


出演者プロフィール(敬称略)
・著者:吉田慎司(中津箒 つくり手)
1984 年生まれ。東京・練馬にて育つ。2007 年より株式会社まちづくり山上にて、神奈川県で明治から伝わる中津箒づくりを開始。制作、展示会、ワークショップ、講演、執筆などマルチに行う。現在、北海道小樽市を拠点に活動。株式会社まちづくり山上 中津箒 つくり手主任。
武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業。
主な受賞に、第 51 回ちばてつや賞佳作、9th SICF 準グランプリ、2011 年より日本民藝館展入選など。LEXUS NEW TAKUMI PROJECT 2017 年度匠神奈川代表。2021 年度日本民藝館展協会賞受賞。


・ゲスト:鞍田崇(哲学者/明治大学准教授)
1970年兵庫県生まれ。1994年京都大学文学部哲学科卒業、2001年同大学大学院人間・環境学研究科修了。博士(人間・環境学)。総合地球環境学研究所特任准教授等を経て、2014年より現職。近年は、ローカルスタンダードとインティマシーという視点から、これからの社会と生活の姿を問うている。著作に『民藝のインティマシー 「いとおしさ」をデザインする』(明治大学出版会 2015)、『趣味どきっ! 私の好きな民藝』(共著、NHK出版 2018)、『分離派建築会―日本のモダニズム建築誕生』(共著、京都大学学術出版会 2020)、『なんとかせにゃあクロニクル―伊奈製陶100年の挑戦―』(共著、INAXライブミュージアム 2024)、『民藝のみかた』(監訳・解説、作品社 2024)、『はじまりの美術館-社会福祉法人が手さぐる地域とアート』(共著、左右社、2025)など。

・モデレーター:中村陽一(ソーシャルデザイナー、株式会社ブルーブラックカンパニー代表取締役)
立教大学名誉教授、東京大学大学院情報学環 前特任教授、青森中央学院大学経営法学部特任教授、一般社団法人社会デザイン・ビジネスラボ代表理事、社会デザイン学会 前会長。
NPO 法人やソーシャルビジネスの運営サポート等、現場と大学を往復しつつ実践的研究、政策提言等に取り組む。ニッポン放送「おしゃべりラボ~しあわせ Social Design」パーソナリティ。ジャズライブでのリーディングや演劇プロデュースなど幅広い活動も行う。名誉唎酒師酒匠。専門分野は、「社会デザイン学」「ソーシャルビジネス」「コミュニティデザイン」「NPO/市民活動論」ほか。著書に『社会デザインをひらく』(監修、ミネルヴァ書房)他多数。


▪️こんな人におすすめ!
手仕事 や アート と社会との関わりや社会デザインに関心のある方
工芸・民藝・クラフトなどの歴史と現在に関心のある方
ものづくりを通じたまちづくりや地域おこしに関心のある方
ご自身が関わっている社会デザインの実践/研究を書籍として出版してみたい方

▪️イベント概要
日時: 2026 年 5 月 28 日(木)
開場:18:00
開始:18:30
終了:20:00(予定)
募集:30 名
チケット種別
イベント参加券・書籍(税込① 2,200 円)付き:3,300 円
イベント参加券(書籍なし):② 1,500 円
会場にて書籍をお買い求めいただけます。
申込方法:peatix

会場:HIRAKU 01 IKEBUKURO SOCIAL DESIGN LIBRARY
(東京都豊島区上池袋 2-2-15/池袋駅より徒歩 12 分)
主催:株式会社ブルーブラックカンパニー
問い合わせ先:株式会社ブルーブラックカンパニー
Mail:contact@blueblackcompany.co.jp


■書籍詳細
『手仕事というもくろみ 暮らしを編み直す』
吉田慎司 著
ブルーブラックカンパニー 刊
四六判・並製・256 ページ/2,000 円+税
2025 年 4 月 20 日:初版第 1 刷発行、2026 年 05 月 20 日:初版第 2 刷発行


《伝統的な箒づくりを通じて世界との多様な接点を見いだし、生きることの手ざわりを現代社会に回復しようと試みる、注目のつくり手の論考!》

かつて日々のくらしに欠かせなかった箒は、電気掃除機の普及とともに需要が低迷し、全国各地の産地は壊滅状態に陥った。ところが近年、電気に頼りすぎないライフスタイルを志向する人、地域の伝統文化や地場産業に価値を見出す人が徐々に増え、職人が手編みし
た昔ながらの箒への関心が高まりつつある。

なかでも、神奈川県北部の愛川町では、一度途絶えた旧中津村の箒づくりを生業として復活させる取り組みが進む。細やかで繊細なつくりとクリエイティブな意匠を施した中津箒は限りなく工芸的で、「荒物」と呼ばれていた従来の箒とは一線を画すものとして注目されている。


再興の立役者として活躍する著者は、つくり手として伝統を受け継ぎつつ「美しいもの」を人に手渡すことで、大量生産・大量消費に基づく現代の暮らしと社会のありようを問い続けている。初の著作となる本書は、美大の彫刻科に入学してから箒のつくり手となるまでの道のりや、日々のものづくりと先達からの学びを通じて編み出された民藝論や工芸論、また移住先の北海道・小樽での DIY による住まいづくりや不耕起栽培による畑仕事、夫婦で営む箒のアトリエと書店・カフェの複合ショップの話など、「ライフスタイルも含めて箒の表現」と考える著者の生き方と暮らしぶりをまとめた一冊。


●本書より
道具は文化や歴史も背負っている。それらを理解し、解釈するには知識やリテラシーが必要なので、使う人々にも自然とそれらを求め、深める機能もあるように思う。歴史を知った上で鑑賞や批評ができる人は、理性と感性を持って物事を判断できるだろうし、究極的には世界にはびこる分断をも解消できると思う。自分自身でさえ、そんな万能なものがあるとは信じがたいところもあるのだけれど、それでも本気で信じている。だからこそ、工芸に夢を見ている。そして、手仕事に何ができるのか、何をしてきたのか、どこに向かっていくものなのか、ということをずっと考えてきた。(第 3 章「手仕事の見取図を描く」より)


●推薦の辞
関野吉晴氏(探検家・医師・武蔵野美術大学名誉教授)
《文明圏の中で、如何に自然と寄り添ったモノづくりが出来るかを探求している吉田慎司は、北海道や南西諸島の洞窟で、どれだけ文明を削いで生きていけるかの実験をしている私にとっては同志のように思える。》


〈目次〉
第 1 章  箒に選ばれるまで
からっぽに宿った光/記録と娯楽/未知と混沌の日々、京都 /未知と混沌の日々、京都
[コラム] 中津箒とまちづくり山上

第 2 章  工房想念
素材--ホウキモロコシという植物/編み上げる/手渡す
[コラム] 職人と百貨店

第 3 章  手仕事の見取図を描く
クラフトブームの波間で/工房からの風/民藝と社会運動/「工芸」の目指してきたも
の/もう無銘性の話はしたくない /もう無銘性の話はしたくない
[コラム] 実践と研究--相沢先生のこと

第 4 章  生きるための道具と詩歌
工芸の詩情/対面で強くつながるために
[コラム] がたんごとんと短歌

第 5 章  理想郷を手づくりで
移住と DIY で最適化する住まい/小樽の風土に根ざした暮らし/工芸とパンとコーヒー
[コラム] 「暮らし」と「ふつう」

第 6 章  働く工芸
資本主義下の労働と工芸/身体と工芸