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【開催レポート】HIRAKUで読むvol.2 式場隆三郎を読む

2024-03-30
Written by:
HIRAKU IKEBUKURO 運営チーム
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3月26日・27日に、HIRAKU IKEBUKURO 01 SOCIAL DESIGN LIBRARY で「HIRAKUで読むvol.2 式場隆三郎を読む」を開催しました。

一部のリーディングは、埜本幸良さん(俳優/範宙遊泳/ほころびオーケストラ)。

今回読むのは式場隆三郎の著書、『二笑亭奇譚』など中心に複数の書籍を扱います。1冊でなく複数の書籍にまたがってリーディングを構成するのがこのイベントの特徴。『二笑亭奇譚』は東京・深川に実在した建築「二笑亭」をリサーチした著作(現存はしない)。家の構造にふれつつ語られる、大きなガラス窓、厚いガラス、想像を掻き立てます。

二笑亭は病者の異常作品とも言われますが、式場氏はそんな建築を温かく見守っているよう。埜本さんの語りがそれを引き立てます。

二部では構成・演出の川口智子さん、ブルーブラックカンパニーの中村さん(HIRAKU IKEBUKURO 01 ファウンダー/立教大学名誉教授)をまじえてのセッション。

今回のリーディングに「式場隆三郎」をチョイスしたいきさつなどに触れていきます。

中村さんから「図面とか気になるのでは?」の問いに、今回は「画面を使わない」と川口さんのこだわりも垣間見えました。

◆式場隆三郞とは

1898年新潟県中蒲原郡生まれ。精神科医。

医学校時代から執筆や雑誌の編集を始め、柳宗悦、民藝運動の人々との関わりが深い。

精神科医としてゴッホ研究に取り組み『ファン・ホッホの生涯と精神病』など多数の著作を残している。

千葉県市川市に國府臺病院を開き、同時に知的障害のある子どもたちを集めた八幡学園の顧問医になるなど障害児教育に大きく貢献する。

画家・山下清のプロデュースでも知られる他、東京・深川に実在した建築「二笑亭」をリサーチした著作『二笑亭奇譚』など、芸術の分野にも大きな影響を残した。1965年没。

●埜本幸良(のもと・さちろう)/俳優

1986 年生まれ。岐阜県出身。劇団・範宙遊泳に所属。劇団の出演作品では、東京、横浜、クアラルンプール、バンコク、杭州、ニューヨーク、岩手など国内外のツアーを行った『幼女X』(2013 年初演~2017 年)、シンガポールTHE NECESSARY STAGE との国際コラボレーション『SANCTUARY-聖域-』(2017 年)、第66 回岸田國士戯曲賞受賞作品『バナナの花は食べられる』などに出演。その他舞台・映画への出演のほか、高校生休日アート部屋(秩父宮記念市民会館主催)、オンライン上の高校演劇部・on-line 自宅部の主宰などWS ファシリテーターとしても活動している。

●川口智子(かわぐち・ともこ)/演出家

イギリスの劇作家サラ・ケインの戯曲上演に長年とりくみ、代表作はコンテンポラリー・パンク・オペラ『4 時48 分 精神崩壊』(作曲:鈴木光介、2020 年初演)。念願のイギリス公演を果たす。そのほかの主な演出作品にくにたちオペラ『あの町は今日もお祭り』(作:多和田葉子、作曲:平野一郎、2022 年初演)、『「エンデの遺言」を読む』(2022 年初演)、0 歳からの小さな劇場『海のツブ』(2023 年初演)、ミュージカル『回転木馬』(2023 年)など。まちなかに劇場をつくり出す「ほころびオーケストラ」としても活動中。東京学芸大学等非常勤講師。