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HIRAKU書店ミニイベント# 38 『庭の話』から考える、これからの「公共空間」と「働き方」
2025-05-26
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5月25日(土)、HIRAKU書店ミニイベント#38『庭の話』から考える、これからの「公共空間」と「働き方」を開催しました。
今回は、評論家・宇野常寛さんの著書『庭の話』を出発点に、SNSと承認欲求、地域と公共空間、そして働き方や生き方について、参加者それぞれの視点から対話が交わされました。
本イベントは、主催のゆるやか書店オーナーさんによる『庭の話』の概要紹介から始まりました。本書では「庭」を、SNSが支配的な現代において、承認のパッケージ化や「何者かでなければならない」という圧力から一時的にでも自由になれる場として捉えています。人間以外の存在(自然や偶然)との関係性のなかにある、予測不可能で開かれた空間とも定義されています。紹介された具体例には、カブトムシが採れる森(自然との偶然の出会い)、ブックオフの100円ワゴン(予測不可能な偶然性)、銭湯・小杉湯(「何者でもない自分」でいられる居場所)などがありました。これらに共通するのは、「私的」でありながら「公的に開かれている」ということ。そのテーマに、多くの参加者が共感を寄せていました。
その後のフリートークでは、参加者の皆さんによるあつい対話が繰り広げられました。さまざまな意見や視点が飛び交い、それに対する共感やさらなる意見の提示が続く空間。それはまさに、利害関係や肩書きから離れ、対等に語り合える場所。評価されない時間、自由な会話と対話。そのような「庭」の可能性が、これからの公共空間や働き方において重要な鍵となる。そんな気づきが共有された読書会となりました。
ご参加くださった皆さま、主催のゆるやか書店さん、ありがとうございました!